税務調査で狙われる?「名義預金」ついて解説!

預金
先月(R4/9月)の記事では、税務調査の実態について掘り下げました。
税務調査の現場にもコロナ禍の影響はあったようですね。

では、
今回は相続税の税務調査のなかで、
税務署からの指摘が特に多いとされる”名義預金”について解説します。

まずは名義預金についてです。
名義預金とは、「亡くなった人の名義ではないけど相続税申告に財産として計上しなければならない預金」のことをいいます。
亡くなった人名義ではない預金を、亡くなった人名義の申告書に計上する…。
違和感がありますよね。しかし、相続税の実務では当たり前のように亡くなった人以外の財産が登場してくるのです。

代表的な具体例としては、「お子さん名義の積み立て口座」や、「専業主婦の奥さまのへそくり」などがありますね。 さらに掘り下げると、
いわゆる”暦年贈与”の枠内で毎年110万円を子や孫へ贈与していたケース
夫婦間でお互いの財産の線引きがあやふやになっているケースなどは、税務署から名義預金であると指摘される可能性はあります。
名義預金かどうかを判定する際にポイントとなるのが、誰が実質的に口座を管理していたか、という点ですね。

お亡くなりになった人名義ではない口座であっても、お亡くなりになった人が通帳を保管し、さらに銀行印も管理していたとなると名義預金に該当する可能性はぐんと上がってしまいます。

普段、聞き馴染みがない名義預金は申告漏れが非常に多くなります。その分、税務調査の対象になりやすいということですね。
名義預金として指摘されないようにするためには、
お亡くなりになった人の財産ではないと主張できる事実が必要となります。
さらに名義預金は遺産分割の対象になります。

他の相続人と揉める可能性もありますから、事前にしっかりと対策をしておきましょう。

【著者プロフィール】浜田勇毅(はまだゆうき)|そうぞく税理士法人 代表
秋田県秋田市出身の相続専門税理士/行政書士。開業前は全国規模の大手税理士法人にて相続の専門家として従事していた。2020年にはまだ税理士事務所を開業し、"相続相談は完全無料"の事業理念のもと、現在まで100件以上の相続案件をサポートした実績がある。相続税申告案件はもちろんだが、多くの行政書士案件(戸籍収集、銀行解約、遺産分割協議書の作成など)の経験もある。盛岡市を拠点とし、周辺市町村(滝沢市、矢巾町、紫波町、花巻市、北上市など)のみならず岩手県内全域を対応可能エリアとする。2022年にはダイヤモンド社出版の「相続&事業承継で頼りになるプロフェッショナル セレクト100」に選出され、週刊ダイヤモンド誌にても岩手県を代表する相続専門家として紹介される。